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『絵本・ジュエルっ子物語』発売から3カ月

 時間の流れがあまりにも速くて驚かされます。

 『絵本・ジュエルっ子物語』発売から3カ月経ちました。大阪府立図書館は発売から3カ月間しか購入申請できないとのことでしたよ。ああ、過ぎてしまった。ああ、悲しい。(「『ジュエルっ子物語』を図書館へ」というプロジェクトも同時進行中です。それはまたおいおい)

 その後10月には大阪で絵本原画展を開催しました。

 11月後半になり、独りぽつんとパソコンの前に座り、私は一体何をしていたんだろうと振り返っていました。もちろん何もしていなかったわけではないのです。でも、自分の満足の感じ方だけで言えば、あまり多くのことを成すには向いていないのかも知れないと思います。そう言えば、「辛い」とか「悲しい」などのネガテイブ系の感情を感じた時は、それを自覚するまでに時間がかかるタイプです。その感情があまりにも多過ぎるとパニックになってフリーズします。そうなると、自分が何を感じているんだか、究極には感情があったことさえ忘れてしまいます。とすると、「嬉しい」とか「充実してる~」というポジティブ系だって同じはず。たくさんの「達成感」がパニックのためになかったことにされているのかも知れません。

 感情、特にポジティブな感情を打ち消す要素としてもうひとつ、私は、過去を大切にし過ぎるということがあります。

 今年はたくさん褒められた年でした。絵本という目に見えるものの達成で「がんばったね」「すごいね」と、本当に多くの方が声をかけてくださいました。私は、その甘くて眩しい賞賛を浴びながら、人知れず日が当たらずとも活動し続けた過去を思い出していました。実際、当時関わった方も原画展に来てくださいました。私はその過去をとても愛していて、その価値を貶めたくありませんでした。過去を言語化すると「その時があるから今の自分がある」などとまとめてしまう。過去を今の私の踏み台という位置に落ち着かせたくないのです。

 私の大好きな小説で、井上靖の『流沙』があります。主人公章子(あきこ)の親友みゆきは、長く不倫関係にあった男性が独身となり正式に結婚できるという段になると、たちまちその愛を終わらせます。過去の苦しんだ自分を、幸せになったからといって葬りたくないという理由で。

 私の感情の持ち方は、大好きな物語に大きく影響されているのかも知れません。幸せを葬り去らないように気をつけます。何の話でしたっけ? 時間の流れが速いということでしたね。今、次の絵本原画展(12/3、12/4:滋賀県・守山市立図書館)に展示するパネルを作成しています。それと大学の課題が4科目重なっています。もう、びっくりするぐらい容量がパンパンです。そうです。現実逃避でブログを書いています。心は過去へ行ったり未来へ行ったり。そろそろ現実に戻ります。