情緒不安定の循環

 ものすごい速さで時間が過ぎ去って行きます。その波は、私の大切なものを置き去りにして、無理矢理私を未来へ連れ去ってしまいます。私の心には怒りが湧きますが、その瞬間は何が起きているのか分からず、「情緒不安定」と名前を付けます。こうなるとどうしても「何かのせい」にしたくなるし、「もっとこうあるべき」と思ってしまう。そして「だめだめ、そんなこと考えちゃ」と気持ちを抑え込む。情緒不安定の循環の出来上がりです。私の情緒不安定とは、感情そのものというよりも、その感情を抑圧することみたいですね。

 

 「だめ、だめ」としていること、つまりネガティブな思いって、自分の内の小さな大切な気持ちなのですが、人前で口に出すことはありません。なぜなら、すぐに人によって泥で汚されてしまうからです。え? 人ってそんなことする? するんです。少なくとも私はそう感じるのです。

 

 それは時を遡って子どもの頃のこと。私はきっと、自分の気持ちをよく話す子だったのだと思います。いい気持ちも悪い気持ちも分け隔てなく。いい気持ちはさておき、悪い気持ちを言った時、人は「そんなこと思っちゃだめ」「そんなこと思わなければいいのに」と言います。これが私にとって「泥」なのでした。自分の気持ちに「良い悪い」を付けたくない。自分の心のどんなかけらも大切にして欲しい。そういう思いで過ごして来たのでしょうね、きっと。

 

 さて、では冒頭の「私の大切なもの」とは何でしょう。今思い浮かぶのは、もっとめいいっぱい学生生活をしたいということです。しかし、日常の家事に追われ、学生の自分は後回しにされるのです。だから、時間があっと言う間に過ぎ去った時、悔やまれてならないのでしょう。