パフォーマンスイベント『狂った女達』


 犬飼美也妃さん(*)が出演されるということで、『狂った女達 vol.1』と題されたパフォーマンスイベントに行って来ました。

 *パフォーマンスアーティスト。画家として『ジュエルっ子物語』の絵、『完璧夫婦の城』の表紙絵も描いてくださっています。

 

 私は、大橋範子さん、犬飼さん、倉田めばさん、向井千恵さんのパフォーマンスから「性」、「痛み」、「悲しみ」のテーマを感じ取りました(タイトルに「女達」とついていますしね。事実はどうなのかは分かりません)。そして私にとって重要なのは、このパフォーマンスによって、感情を激しく刺激されたことです。「感情」って、表現する、表現する、と安易に言ってしまいがちだけれど、ここまで丸裸の感情を明るみに出すことが「表現する」ということではないか、と改めて思いました。いいえ、それが定義というわけではなく、それが「私のやりたいこと」ではないのか、って。私は、自分の中の「嫉妬」や「怒り」という感情と向き合っていました。それこそ、この瞬間、丸裸の生々しい感情です。私自身が私に迫って来ました。さあ、この感情を目の前にして、どのような態度を取るのか、と迫られているようでした。逃げることもできる。知らないフリをすることも。否定、否認。または抑圧。私は自分自身に、うろたえ、おびえ、身体を縮めていました。自分の内に潜む感情が一番怖い。結局、現地では何も解決できないまま帰途につきました。こんな感情を消化し切れないまま、日常生活に戻っても大丈夫だろうか。心配しつつも、今、私は日常の中に戻っています。何食わぬ顔をして。

 

 日頃、何も感じていないようなフリをして、そっと社会の中に存在している。それが私なのかも知れません。生々しい感情と戦う私と、何食わぬ顔をしている私。どちらが狂気でしょうか。パフォーマンスアートははっきりと後者を「狂っている」と指摘されているように感じるのです。私も狂気を帯びた女。感情を浄化、昇華、表現すべき役割を担っている1人の女なのですね。